スペンサースチュアートは、エグゼクティブ・サーチという領域に緻密なアプローチ、規律、プロフェッショナリズムをもたらしたパイオニアです。創業者のスペンサー・スチュアートは「国境を越えたサーチ」というビジョンを掲げました。以来57年にわたり、私たちはこのビジョンのもとに、世界中のクライアントに貢献しています。

  • 創立期 -
    • 第二次世界大戦の終結後、海外展開を図る企業が増加しました。しかし、当時は世界から認知されているエグゼクティブ・サーチ会社はまだ存在せず、エグゼクティブ・サーチは経営コンサルティングの一部として密接に結びついていました。新戦略を実行するリーダーを探す場合、企業は関係の深いコンサルティング会社に大きく依存していました。

      スペンサー(スペンス)・スチュアートは、米国の経営コンサルティング会社、ブーズ・アレン・ハミルトンのエグゼクティブ・サーチ部門でコンサルタントとして働いていましたが、1956年に独立しました。その当時、世界ではマネジメント人材の市場が顕在化しつつあり、各企業はニーズに合ったリーダーを社外から積極的に登用するようになっていました。

      本拠地をシカゴに置いたスペンスは、最初にベネズエラのカラカスの案件に取り組み、1959年にはチューリッヒにもオフィスを設立しました。創業当初は、組織的にというよりは、スペンス個人としてサーチに取り組んでいましたが、1960年までに29もの国に関連する案件を手がけました。このように、米国以外の国々においても増加しつつあったエグゼクティブ・サーチの需要に応えることができたのは、スペンスの国際的なマインドとコンサルティングに関する知見によるところが大きいと言えるでしょう。こうしたマインドや知見は、今日の私たちのビジネスにおいても根幹を成すものであり、それは将来にわたっても変わることはないでしょう。

  • 1960年代 -
    • スペンスは業務の拡大に引き続き取り組み、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、パリ、メキシコ・シティに次々とオフィスを開設しました。スペンスの国際的なビジョンのもと、創業当初のクライアントはすべて、海外展開を試みていた米国企業でした。カミンズエンジン社やクエーカーオーツ社をはじめとする企業から依頼を受け、サーチは北米、ヨーロッパ、オーストラリア、インド、中国、南米におよびました。こうした企業からは、その後も引き続き、複数の案件でスペンサースチュアートのサービスをご利用いただいています。

      スペンスは、エグゼクティブ・サーチの明確な方法論を確立する上で、リサーチの価値を重視しました。そのコミットメントが如実に現れているのが「エンバイロメント・スタディ」(環境調査)です。これは新規に採用する人材の業務環境を徹底的に調査するものです。クライアントの採用ニーズの背景と戦略を深く理解してこそ、多様な課題に優れた対応力を発揮する最適な候補者を見極め、リクルートできるという揺るぎない信念があり、それを私たちは今日に至るまで堅持し続けています。

  • 1970年代 -
    • 1970年代のエグゼクティブ・サーチは、経営コンサルティングと平行した形で発展し、国際的な事業展開の成功に不可欠のものと認識されるようになりました。スペンサースチュアートは、北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリア、香港に13の新しいオフィスを開設、事業を拡張していきました。

      1974年、創業者のスペンス・スチュアートが引退。経営コンサルティングという分野を確立したと言われるマッキンゼーのマービン・バウワーは、プロフェッショナル・ファームでは、何ものからも中立の立場でクライアントに最善のアドバイスを提供できるよう、社員が株主となるべきであると説いており、スペンスもその信念に共鳴し、引退に際してすべての自己所有株式を社員が購入できるように提供しました。これが、私たちスペンサースチュアートのパートナーシップの原点であり、現在に至るまでそのパートナーシップの精神は受け継がれています。

      1974年に600万ドルであった売上げは、米国以外の国々における事業の著しい伸びにより、1979年には2, 230万ドルへと増大しました。同年、ブーズ・アレン・ハミルトンが経営コンサルティング部門とエグゼクティブ・サーチ部門の利益相反を解消するために、エグゼクティブ・サーチ部門の売却を決定し、同社のチームがスペンサースチュアートに移籍しました。これにより、米国事業も急速に拡大しました。

  • 1980年代 -
    • 1980年までに、エグゼクティブ・サーチは主要なサービス産業となりました。エグゼクティブが自らのマネジメント・スキルや知見を、他の組織で活かすことが一般的になったのです。実際、私たちが扱う案件の3分の1は、CEO、COO、ジェネラル・マネジャーを対象としたものでした。

      この時期、スペンサースチュアートは、北米、ヨーロッパ、日本に新しくオフィスを開設しました。さらに、個々の得意領域における専門性をより効果的にサービスに活かすために、組織を業種別・事業機能別のプラクティスと呼ばれるグループに再編しました。その結果、従来からあった消費財プラクティスに加え、ハイテク・プラクティス(現テクノロジー・メディア・通信プラクティス)やライフサイエンス・プラクティスが誕生しました。1983年には、エグゼクティブ・サーチ・ファームとしては初の、ボード(取締役会)という切り口に特化して、様々なサービスを提供するボード・プラクティスを設立しました。

      また、新たな主要出版物「Point of View」の刊行やリーダーシップに関するプログラムの開発にも取り組みました。1987年には初の「Spencer Stuart Board Index」を米国で発表しました。Board Indexとは、上場企業のボードのガバナンスや構成を分析したもので、現在では毎年20以上のBoard Indexを発表しています。この他にも、リーダーシップやタレント・マネジメントに関わる様々な研究結果や報告書を多数出版しています。

  • 1990年代 -
    • 経済成長の時代であった90年代は、また、グローバリゼーションの進展、急速な技術革新、WWWの出現、そして金融緩和の時代でもありました。スペンサースチュアートは、1995年に金融プラクティスを、1998年にはグローバル・インテリジェンスという、アセスメント・サービスを立ち上げました。これはCEOサクセッション・プラン(継承計画)の策定・実行、CEO交替とチーム構築、M&Aなど、組織の重要な局面において、シニア・エグゼクティブ・チームを正確に評価する独自のサービスであり、リーダーシップの強化や、将来のリーダー育成に必要な考え方を提供しました。このグローバル・インテリジェンスを拡充したものが、現在のエグゼクティブ・アセスメント・サービスです。

      90年代には、景気拡大と同時に複数の大型倒産も発生し、優れたガバナンスの価値と重要性がクローズップされました。各国政府のイニシアティブのもと、企業の失敗によるリスクを最小化するための法律や、新しいガバナンスの規定が制定されました。また、ボードの役割と構成が再び注目され、独立した社外取締役に関する要件が厳格化されました。このような中、スペンサー スチュアートが提供する、ガバナンス・アドバイザリーや社外取締役リクルーティング・サービスに対する需要が世界中で高まりました。

      1994年、スペンサー スチュアートはサーチ業界で初めて顧客満足度調査を導入し、以来、案件完了後にクライアントからフィードバックを受けるようになりました。こうした取り組みも「質」を重視する私たちのコミットメントの一例であり、サービス向上に寄与しています。1998年には、グローバルなサーチには不可欠なインフラである、情報システムQuestNTを立ち上げました。業界随一の機能を誇るQuestNTの誕生により、グローバルな情報ネットワークにリアルタイムでアクセスできるようになりました。

      90年代末までに、スペンサースチュアートはアルゼンチン、チリ、中国、コロンビア、ヨーロッパ、メキシコ、南アフリカ、アメリカに新たなオフィスを22カ所開設しました。米国本社の収入はほぼ3倍の3.62億ドルとなりました。

  • 2000年から現在 -
    • 2000年代は衝撃的なでき事で幕を開けました。ドットコム・バブルの崩壊に始まる未曾有の不景気に米国同時多発テロ事件、企業会計スキャンダルなどが追い打ちをかけ、世界中の株式市場が次々に暴落しました。EUはユーロ単一通貨を採択して東欧諸国を加えました。中国、インド、ブラジルの経済成長が、世界経済のパワーバランスに変化をもたらしています。

      経営環境の複雑性が増す中で、スペンサースチュアートは、リーダーシップ関連サービスを担うトップレベルのプロフェッショナル・ファームとなることを目標に据えました。シニア・エグゼクティブ、および社外取締役のサーチは無論のこと、ボード・アドバイザリー、CEOサクセッション・プラン(継承計画)、ボード・アセスメントのサービス強化に努めています。また、シニア・エグゼクティブのアセスメント・サービスも、独自メソッド「エグゼクティブ・インテリジェンス(ExI)」の開発によって一層強化されています。

      プラクティス・グループの再編にも取り組みました。インダストリアル・プラクティスを新たに組織して13の産業分野のコンサルタントの専門領域を統合したほか、教育、非営利団体、政府行政機関を対象とするプラクティスを設置しました。事業機能についても、情報、財務、人事、法務、マーケティングなどの担当役員に特化したプラクティス・グループを立ち上げ、常にトップレベルの候補者にアクセスできるように努めています。

      2000年以降、私たちスペンサースチュアートは、インド、スカンジナビア、中東で事業を拡大し、現在30カ国に56カ所の拠点を展開しています。高度にネットワーク化されたグローバルな専門領域別のプラクティス・グループの活動と、各国現地オフィスのプレゼンスを通じて、世界中のあらゆるエリアで、クライアントが最適なリーダーを確保できるよう、サポートしています。